機体データの編集
○機体設定について 入力データは現実に即した値を使ってください。現実的にありえない値の組み合わせを入れると解が発散して思わぬ動作を引き起こす恐れがありますので注意。 以下、ダイアログの各タブごとに入力データの説明をしますが、ほとんどの物は見てそのまま分かるようにしていますので特別補足が必要な項目についてのみ解説します。 ・機体全般 ・主翼 ・尾翼 ・翼型データ編集 ・編集したデータの保存と読み込み ○機体全般 ![]() 主翼前縁から重心位置までの距離・・・MACの前縁からですが、%表記ではなく実際の距離で入力ということに注意してください 主翼前縁から水平尾翼までの距離・・・正確には水平尾翼の取り付け位置までの距離です。 慣性モーメント半径・・・機体全体の慣性モーメントに対する慣性モーメント半径です。詳しくは下記の解説を参照してください 慣性モーメント自体の詳しい説明は下記URLなどを参照してください http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/angular.html(TOP) 一言で言うなら慣性モーメントは物体の回転しにくさを表す数値で I=mr^2で求められます 慣性モーメント半径は上式のr。従ってr=√(I/m) 実際には機体全体での慣性モーメントを機体重量で割って平方根を取れば求めることができます。 ここで具体的に機体全体での慣性モーメントをどうやって出すかというと主翼、尾翼、胴体、コックピット等の各部品の重心回りの慣性モーメントをそれぞれ求めてそれらを足し合わせれば機体全体の慣性モーメントを求めることが出来ます。 (例 I=m1r1^2+m2r2^2+・・・+mnrn^2 この辺は各部品の重量と重心からの距離を入力すれば機体全体の慣性モーメントを出してくれるEXCELシートを作成しておくと試行錯誤が便利になると思います。 ちなみに微妙なバランス調整程度であるなら慣性モーメント半径は0.1変わるか変わらないか程度の誤差なので しばらく概算で求めても結果に大きく差が出ることはないと思われます。 もちろん精細に入力した方が正確な解析が出来るのは言うまでもないですが。 有害抵抗係数・・・主翼以外の抗力(フェアリングの空気抵抗等)係数を入力してください。 初期高さ・・・プラットホームの高さ(10m)+プラットホームから機体重心までの高さです。 風速・・・正が向かい風の方向で地面に水平に吹いていると仮定しています。 ○主翼 ![]() 翼スパン、平均空力翼弦長、翼面積、アスペクト比・・・入力された主翼形状データを基に自動的に計算され入力されます。 翼型・・・現在未実装です。将来的に登録した翼型を自由に切り替えられるようにするかもしれません。現状では翼型データ編集タブで編集してください。 片翼の全重量・・・主翼の片方の全重量を入力します。この値は撓みの計算において使用されます。 オフセット・・・コクピット等で主翼を完全に分断してしまう場合はここにその幅を入力します。値は片翼のみを考えた中心線からの距離(コクピット幅の1/2)を入力してください。 ・主翼形状データの入力 主翼の形状は区間ごとにテーパー比、曲げ剛性、上半角等を設定することができます。 テーパー比・・・区間の開始と終了の翼弦長の比を入力します。 ヤング率、断面二次モーメント・・・撓みに関する曲げ剛性を設定します。詳細が決まっていない場合は適当に大きな値を入れてください。 参考までに CFRPのヤング率3.0〜5.0E+6kg/cm^2、鋼材のヤング率2.1E+6kg/cm^2 直径90mm厚み1mmのパイプの断面二次モーメントは約27.6cm^4になります。 上半角、後退角・・・入力された区間以降の全ての区間に適用されます。それ以降の区間でさらに上半角、後退角をつける場合はその差分を入力してください。 ![]() ○尾翼 ![]() 特筆すべき項目はないと思います。 ○翼型データ編集 ![]() 揚力傾斜・・・揚力曲線の比例部分の傾きを入力してください。このとき、角度単位はラジアンを使った値を使用します。 参考としてNACA4412は揚力傾斜が約5.5になります。 ゼロ揚力角・・・揚力係数が0になる時の角度を度数表示で入力してください。 最大揚力係数・・・通常、失速角時の揚力係数になります。 失速時の最大揚力係数・・・最大揚力係数の1/3程度を入力してください。この値の大小で失速特性を表現しますがかなりアバウトであるので基本的に失速後の挙動は参考程度で考えてください。 最小揚力係数・・・文献等で確認できる最小の値で構いません。通常ほとんど使われることがないと思われるので適当な値(-1〜-3程度)でも大丈夫でしょう。 失速時の最小揚力係数・・・最小揚力係数の1/3程度を入力してください。このシミュレータで最小側で失速することはほとんどないので適当な値で大丈夫です。 抗力係数・・・現在は抗力曲線を再現することができませんのでよく使われる角度(8度前後)前後の抗力係数を入力してください。 モーメント係数・・・空力中心位置におけるモーメント係数を入力してください。 参考としてNACA4412では-1になります。 尾翼側も基本的に主翼と同じです。 ○編集したデータの保存と読み込み 「OK」を押すと設計データはtemp.txtに書き出されます。鳥シミュ本体はこのtemp.txtの値を読み込んで機体データを作成します。 設計データは名前をつけて保存をしたり、過去に作成した設計データを読み込んで使用することができます。 データ形式は独自の拡張子plaになります |