マップチップの配置を行うために、まずパレットモードを敵パレットに切り替えて下さい。
切り替え方は、メインメニューから「編集」→「パレット変更」→「敵キャラ」を選択します。
すると、以下のウインドウが表示されます。
↑敵パレットウインドウ
マップ上で左クリックすると、敵の配置を行います。
配置する敵は、敵パレット上で左クリックして任意のものにして下さい。
また、マップ上で右クリック(ドラッグも可能)すれば、カーソル位置の敵を記憶することもできます。(いわゆるスポイト機能)
※右クリックで記憶した敵を配置しても、敵が複製されるわけではありません。主に敵を移動させたい時に右クリックを活用して下さい。
敵パレットデータは、マップチップやイベントのパレットとは異なり、ステージごとに1から作成していくことになります。
ここで重要なのは、敵はリストの上の者から順に行動していくということです。(基本的に、味方に近い位置にいる敵ほどリストの上に作成すると良い)
敵パレットウインドウ上部の「挿入」・「編集」・「削除」・「データ数」ボタンは、敵の配置リストを編集するものです。
「挿入」や「編集」を押すと、以下のウインドウが表示されます。
↑敵の配置データウインドウ
敵の配置データウインドウにおける各項目の説明は以下の通りです。
● グループ
グループは「敵が出現するタイミング」を表します。
・0 … 常に(ステージが終了するか死ぬまでは)敵が存在します。
・1以上 … イベントアクション「敵グループの操作」によって、対応するグループ番号が有効になったら敵が出現します。
● データ
敵のデータです。
ここで選択可能なデータは、データベース「敵キャラ」に依存します。
#敵キャラの詳細はデータベース「敵キャラ」を参照
● 移動AI
移動パターンをリスト形式で設定します。
詳細は次の節で説明しています。
敵の移動AIは、移動AIリストの上のものから順に動作を試み、成功した(動作条件を満たした)移動AIたった1つを実行する仕組みになっています。
成功したかどうかの判定方法は設定によって異なってきますが、基本的にはゲーム的に動作可能かどうか、または(敵の立場で)動作する意味があるかどうかで決まります。
ちなみに、全ての移動AIで失敗した場合、その場で待機します。
ウインドウ上部の「挿入」・「編集」・「削除」ボタンは、移動AIリストを編集するものです。
「挿入」か「編集」を押すと以下のウインドウが表示されます。
↑移動AIウインドウ
移動AIは、「 [範囲] で [対象] に [行動] 」の形式で設定します。
● [範囲]
どの範囲までの[対象]を、移動AIにおける対象の候補とするか。
○ マップ全範囲内
存在している全てのキャラ(自分も含む)が対象の候補となります。
○ 行動範囲内
[行動]が「待機」の場合は自分の移動範囲内、[行動]が「戦闘」か「回復」の場合は自分の移動範囲+1の範囲内のキャラ(自分も含む)が対象の候補となります。
○ 自分の位置+隣4マス内
自分の位置と、その隣4マス内にいるキャラが対象の候補となります。
● [対象]
移動AIの(移動や行動の)対象となるキャラです。
[範囲]で指定した範囲内に該当するキャラが存在しない場合、移動AIは失敗します。
○ 最も近い味方
最も近い味方を対象にします。
○ 最も効果的な味方(武器攻撃計算)
敵が武器で攻撃すると仮定した時、最も効果的と判断した味方を対象にします。
詳細を言うと、プログラム内部で各キャラに対して下記の式で優先値を算出し、最も優先値が高いキャラを対象にしています。
優先値 = 通常攻撃の平均ダメージ × 平均行動回数 − 味方の残りHP
※平均行動回数とは、データベース「システム3」の「行動回数(参考用)」と同じ値で、両者の「はやさ」を同じと仮定した時の行動回数です。
○ 最も効果的な味方(魔法攻撃計算)
敵が魔法攻撃系のスキルで攻撃すると仮定した時、最も効果的と判断した味方を対象にします。
詳細を言うと、プログラム内部で各キャラに対して下記の式で優先値を算出し、最も優先値が高いキャラを対象にしています。
優先値 = 魔法攻撃の平均ダメージ(スキルの威力を0とする) × 平均行動回数 − 味方の残りHP
※平均行動回数とは、データベース「システム3」の「行動回数(参考用)」と同じ値で、両者の「はやさ」を同じと仮定した時の行動回数です。
ただし、戦闘AI内の魔法攻撃系スキルのいずれかを一回以上使用できるSPがないと、移動AIは失敗します。
○ 最もHPが低い味方
最もHPが低い味方を対象にします。
○ リーダーの味方
リーダーを対象にします。
○ 最も近い敵
最も近い敵を対象にします。
当然ですが、自分は対象になりません。(自分を含めたら、常時自分が対象になってしまう…)
○ 最も弱っている敵
最もHPが低い敵を対象にします。
ただし、HPが減っていない敵は対象になりません。
○ 自分自身
自分自身を対象とします。
○ 最も近い目的地
指定した目的地(位置グループ)の中で、最も近い位置を対象にします。
目的地の指定は、別項目「目的地」で行って下さい。
※目的地には、位置データが5点以上の位置グループしか指定できません!(PCへの負担を考えて、4点までに制限してあります)
#位置グループの詳細は「位置データの設定」を参照
● [行動]
敵がとる行動です。
○ 待機
[範囲]と[対象]によって決められた対象の方向へ移動します。
待機は、その性質上行動対象を必要としないため(隣にキャラがいなくても実行できるため)、[範囲]が「マップ全範囲内」なら、ほとんどのケースで移動AIが成功します。
例えば、移動AIの設定が 「マップ全範囲内」 で 「最も近い味方」 に 「待機」 で、そのターンに対象(最も近い味方)の隣に移動できない場合でも、「たいき」することは可能なので移動AIは成功するのです。
※これが、行動対象が必要な「戦闘」(「たたかう」)や「回復」(「スキル」)だと移動AIは失敗します。
味方がいる方向や目的地等に移動したい場合に指定すると良いでしょう。
○ 戦闘
[範囲]と[対象]によって決められた対象へ戦闘を仕掛けます。
[対象]に味方系以外のものが指定されていると、移動AIは必ず失敗します。
何故なら、シミュレーションRPGエディターでは同士討ちはできないため、動作不可能だからですね。
○ 回復
[範囲]と[対象]によって決められた対象へ回復系のスキルを使用します。
[対象]に敵系以外のものが指定されていると、移動AIは必ず失敗します。
回復系スキルの指定は、別項目「使用スキル」で行って下さい。
※使用スキルには、戦闘AIの設定で習得させたスキルしか指定できません!(未習得スキルを指定すると、必ず移動AIが失敗します)
#戦闘AIの詳細はデータベース「敵キャラ」を参照
ここまで移動AIについて説明してきましたが、実際に移動AIを意図した通りに動作させるには、ある程度の慣れが必要かと思います。
以下に実際使えそうな設定の例をいくつか挙げておきますので、ご参考下さい。
● 突撃型(武器攻撃キャラ用)
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(武器攻撃計算)」 に 「戦闘」
「マップ全範囲内」 で 「最も近い味方」 に 「待機」
<解説>
繰り返しになりますが、まず大事なのは移動AIリストの上のものから優先して動作を試みて、最終的には動作可能なただ1つの移動AIのみが動作するということです。
今回の場合、誰にも戦闘が仕掛けられない状況なら、最も近い味方の方へ移動するAIになります。
● 突撃型(魔法攻撃キャラ用)
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(魔法攻撃計算)」 に 「戦闘」
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(武器攻撃計算)」 に 「戦闘」
「マップ全範囲内」 で 「最も近い味方」 に 「待機」
<解説>
前回のデータの魔法攻撃バージョン。
「最も効果的な味方(魔法攻撃計算)」では、SPが不足していると動作に失敗しますので、SP不足なら武器攻撃計算でもいいので戦闘を仕掛けるように設定しています。
● 迎撃型(武器攻撃キャラ用)
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(武器攻撃計算)」 に 「戦闘」
<解説>
全ての移動AIの動作に失敗した場合「その場で待機」になる、というのも移動AIの設定においては重要なことです。
今回の場合、味方が行動範囲内にくるまで、ひたすらその場で待機します。
● 迎撃型(魔法攻撃キャラ用)
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(魔法攻撃計算)」 に 「戦闘」
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(武器攻撃計算)」 に 「戦闘」
(解説は略。一応「実用性のある例」ということで載せてみた)
● 回復型(非戦闘キャラ)
「行動範囲内」 で 「最も弱っている敵」 に 「回復(スキル)」
「マップ全範囲内」 で 「最も近い味方」 に 「待機」
<解説>
回復対象が見つからないなら、最も近い味方の方へ移動するAIです。
単独で行動させると間抜けな感じですが、後方支援キャラとしては十分な動きをしてくれるはずです。
● 回復&突撃型(武器攻撃キャラ用)
「行動範囲内」 で 「最も弱っている敵」 に 「回復(スキル)」
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(武器攻撃計算)」 に 「戦闘」
「マップ全範囲内」 で 「最も近い味方」 に 「待機」
<解説>
回復と戦闘を混在させてみました。
回復対象が見つからない場合は戦闘を仕掛けてきます。
● 回復&突撃型(魔法攻撃キャラ用)
「行動範囲内」 で 「最も弱っている敵」 に 「回復(スキル)」
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(魔法攻撃計算)」 に 「戦闘」
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(武器攻撃計算)」 に 「戦闘」
「マップ全範囲内」 で 「最も近い味方」 に 「待機」
● 侵略型(武器攻撃キャラ用)
「行動範囲内」 で 「最も近い目的地」 に 「待機」
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(武器攻撃計算)」 に 「戦闘」
「マップ全範囲内」 で 「最も近い目的地」 に 「待機」
<解説>
これは、目的地を占領されるとゲームオーバーになるようなステージにはうってつけの設定です。
まず、行動範囲内に目的地が存在するなら、そこへ移動することを最優先させています。
目的地に移動できない場合、次は味方に戦闘を仕掛けるように設定しています。
味方を無視して、目的地になるべく近い位置へ移動させるAIの方がプレイヤーに脅威を与えることも多いですが、味方が邪魔で一生目的地に辿り付けないことがないように、戦闘のAIを組み込んでおいた方が無難です。
● 侵略型(魔法攻撃キャラ用)
「行動範囲内」 で 「最も近い目的地」 に 「待機」
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(魔法攻撃計算)」 に 「戦闘」
「行動範囲内」 で 「最も効果的な味方(武器攻撃計算)」 に 「戦闘」
「マップ全範囲内」 で 「最も近い目的地」 に 「待機」
と、こんな感じで設定していきましょう。
上記の9種類だけでも、それなりにバリエーション豊かなステージが作れます。
★★ 動作が重いなら ★★
移動AIの動作が重い(思考時間が長い)場合は、以下の対処を行えばいくらか動作が軽くなります。
・必要移動力が高いマップチップを、必要移動力が低いものか移動不可のマップチップに変える。(意外に効果大)
・マップを狭くする。
・[対象]が「最も近い味方」か「最も近い敵」か「最も近い目的地」なら、他の対象に変える。(この3つは特別重いです)
・[対象]が「最も近い味方」なら、参加可能な味方の数を減らす。
・[対象]が「最も近い敵」なら、敵の数を減らす。
・[対象]が「最も近い目的地」なら、目的地(位置グループ)における位置データの点数を減らす。