武器に願いを
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『武器』は
あなたの願いを
叶えますか?
物心がついた頃には 僕は武器に夢中だった 父の武器を造る姿を見て 僕もいつかはああなると わくわく心が躍って とにかく毎日が楽しかった 大人になり 父の指導を煙たく思うときもあったけど 武器を造る楽しさは 決して変わることがなかった 父が亡くなって半月 鍛冶場には誰もいなくなった 口数の少ない父とは 鍛冶以外で会話を交わすことがなかった 一人になって寂しいと思うが 涙が流れることは これからもないだろう 冷たくなった鍛冶道具を手に 僕は武器を造り始めた |