後記

「学校七不思議」シリーズ外伝2です。
(今は本編に統合された「北水由美の章」が、実は初)

トイレの妖怪、花子さん。
この名前、誰でも一度は聞いた事があるのでは?と思うほど有名な学校妖怪。
私も、学校の怪談と聞けば、まず思い出すのが彼女です。
「学校七不思議」おまけに収録した4コマ「探そう学校七不思議」の前にも、実は学校の怪談ネタのショート漫画を描いており、そこにも花子さんが登場してます。
それくらい、思い入れは強いんす。
だから、七不思議シリーズが好評を得た時、いつか彼女をメインに据えたゲームを出したいと思ってました。
高校Verではなく、本家とも言うべき、小学生の彼女を。
白いブラウスに、赤いスカート、おかっぱの髪。
トイレのドアを三回叩いて呼び出す。
彼女の「遊び」は、首締め遊びと聞きました。
だけど、主人公と共に行動させるには、敵にするわけにはいかない。
それなら、呼び出す時、「遊ぼう」ではなく、「助けて」だったら……?
そこから、今回の物語の構想は始まりました。
制作開始してから、2年くらい経ってしまった気が。いやはや。
イベント絵が全然無いので、ノリさえあれば、作るのは早いのですが。
今回のも、この一週間で、1/3くらい残ってたシナリオをがーっと仕上げましたから。

主人公や「鬼」になった子に対して、随分と優しい…と言うか甘いですが、私がイメージする花子さんの本質は、本来残酷。
呼び出した子が泣いてようと、笑って殺しちゃう様な(苦笑)。
だけど今回の場合は、「助けて」と言う言葉に応えて現われた為、花子さん自身がその言葉に制約され、妙に優しくなってしまったと言う設定です。
二面性を持つ神様や妖怪は多いですしね。


今回は主人公が小学生という事で、言葉遣いや表現方法に滅茶苦茶苦しみました(T□T)
いっちゃん最初は、ALL平仮名だったんすよ(笑)
それじゃあまりに読みづらかったので。
細かい描写が無いのも、子供の視点だから。

ひとみちゃんを最後どーしようかなーと悩みましたが、あんだけ殺しまくっちゃってるわけだから、鬼が消えたからめでたし…とするわけにもいきません。
最近、少年犯罪が増加してますし、そう言った予備軍だったという事にして、消えてもらいました。
でもきっと主人公はあの時、何も分かってない(苦笑)


探索ルート、最初はもっと理科室・家庭科室など、色々と考えていたのですが、だんだん「鬼」が可哀相になってきたので止めました(苦笑)
体育館の時は、顔面にボールくらってるし。
屋上に着く頃は、どっちが追われてるんだか分からないくらいボロボロです(笑)
もし今回の作品が好評だったら、続編で考えていたネタを活かしたいですね。
好評だったので理科室ルートを追加しましたw


今回、ED数はどーしても今まで通りの数には抑えられませんでした(TT)
ので、BADが七で…と、苦肉の策。

おまけシナリオ、今回のは今までとはほど遠い軽さですが、こりは勘弁して下さい。
主人公に呼び出される瞬間の花子さんの心境を出したかったので。


このシリーズは、ゲーム紹介などで「サウンドノベル」と表記される事が多いので、敢えて最初はサウンドノベルタイプの文字表示にしてみました。
たまにはこんなのもいいかなーと。
花子さん登場後は、表情が見えづらくなってしまうのでいつものフレーム式に戻しましたが。


ここまでお付き合い有り難うございました。

作品のご感想・バグ報告など、随時お待ちしております。
貴方が抱く「花子さん」のイメージに、本作が合っていればとても嬉しいのですが。


お陰様でご好評を頂き、現在続編を制作中です。
Vector登録時に「残酷度は低めです」とか書いたら、「学校七不思議本編よりグロいじゃねーか!」とユーザーやレビューサイトで評されたり、色々あったなぁ。
公開当時リアルで小学生だったユーザーさんから「大学生になりました」とメール貰ったりして月日を感じます…。


それでは。

全ての学生、学生だった人達へ。

2004/5/14 2011/4/25 藍澤風樹